| 講演の要点
バブル崩壊後、年俸制と成果主義という
言葉が流行りはじめた。
私は年俸制と成果主義には反対している。
なぜなら、
制度自体あまりすきではないが、
年俸制と成果主義を唱えている学者やコンサルタントが
主に使う批判対象が、年功序列だからだ。
私は今まで110社以上の大企業と関わってきているが、
年功序列の会社は1社もなかった。
年俸制と成果主義を唱えている学者やコンサルタントが
主張する年功序列の問題は、そもそも事実認識が間違っている。
ある程度の長い歴史をもち、
生き延びてきた日本企業の人事システムの本質は、
“給料で報いるシステムではなく、
次の仕事の内容で報いるシステム”なのだ。
これは、
仕事の内容がそのまま動機付けになるという
内発的動機理論からみてももっとも自然なモデルである。
仕事の報酬は、
“給料ではなく、次の仕事である”というのが、
一般的な日本の会社の考え方だったのである。
年功序列を日本の人事システムとして考えるのは
間違いなのだ。
成果主義を導入したある大手企業は、
実は導入6ヶ月でやめてしまった。
成果主義で成功している会社を
私はいままでみたことがない。
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高橋氏は経営学、経営組織論の専門家ですが、
成果主義には反対の論陣を張り、日本型年功制の復活を勧めています。
この講演でもその主張を鮮明にし、企業の具体例を挙げて理論付けしています。
その論拠として高橋氏は「日本企業の人事システムは、
仕事の報酬を給料で報いるのではなく、次の仕事の内容で報いるシステム」とする。
成果主義が客観評価という形で給与に格差をつけることを動機付けにしている点に触れ
「成果主義は中間層の人を無理して評価しようとしたところに問題がある」と指摘する。
また成果主義では評価する人の責任が伴うが
「成果主義と給料とがリンクする」ことを問題視した上で、
客観評価がいかに虚妄であるかの例を挙げて成果主義の実態を洗い出しています。
高橋氏によると日本型年功制の本質は「年功序列制」とは異なり
「次の仕事の内容で報いることにあり、いかに社員に働き甲斐を与えるかにある」とみる。
80年代から90年代にかけて多くの会社が「成果主義」を掲げたが、
その失敗が明らかになったいま
「成果主義の看板は下ろさなくとも少なくとも運用面でも年功制を実施したほうがいい」
と年功制の復活を訴える。
さらに社員が求めているのは「夢中になって打ち込める仕事であり、達成感だ。
仕事の面白さに目覚めた人だけが仕事に一生懸命になる」と結んでいます。
【プロフィール】
高橋 伸夫(たかはし・のぶお) |
1957年生まれ。
80年小樽商科大学商学部卒、84年筑波大学大学院社会工学研究科を退学。
東京大学教養学部助手、東北大学経済学部助教授、
東京大学助教授などを経て98年から現職の東京大学大学院経済学研究科教授。
著書は
「虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ―」(日経BP社)
「組織と意思決定」(共著=朝倉書店)
「超企業・組織論」(編著 =有斐閣)
「日本企業の意思決定原理」(東京大学出版会)
など多数。 |
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